演出の出し方が多様化する中で、演出がどういう役割を持つのか複雑でよくわからなくなることもあるかと思いますが、今回は演出と感情ということにフォーカスしていこうと思います。
演出は現実にない感情表現を視覚化しているものでもあり、感情にどう紐づくか知ると演出をつけやすくなるかと思うので、この記事では演出がどういった感情に結び付くのかを考えてみました。
状況/世界観によっても与える効果は変わってくるので、一番多く影響しそうな感情と紐づけています。
通常
シンプル版(拡大)
どこでも使える拡大アニメーション。
基本中の基本でエフェクトを追加することで様々な見栄えを作ることができます。
このアニメーションは適度に目立たせることができ、視線を誘導することもできるのでUIアニメーションではよく使われます。
ただし、感情に紐づくことがほとんどなく、情報を与えるためのアニメーションとなります。
感情に紐づける演出を作るにはエフェクトを足したり見せ方を少し変える必要があります。
シンプル版(縮小)
縮小するアニメーションは画面を大きくとることから中央表示に適しています。
なお、最初に大きくアイコンを出しているので、強制的に視線を引っ張っていくことができるので
全画面演出などと相性がいいです。
奥行の表現を出すためにぼかし表現を入れることで表現の幅を増やすことができます
こちらも感情との紐づけよりも情報への視線誘導の役割が大きいです。
感情_平穏
シンプル(フェードイン)
目立った動きがあるわけでもなくさりげなく出現する動きで、気が付かれにくい表現になります。
これはメインのアイコンを出すための演出よりも、サブ情報を表示するときなどに使いやすいです。
メインの情報を出した後に、サブ情報のテキストをフェードインさせることでメインの演出から視線を奪うことなくスムーズな情報表示ができます。
感情_哀愁
浮かび上がり
細かいチリから現れるアイコンで、この表現は心を穏やかにしたり色味によっては悲しみをもたらせることもあると思います。
世界観を表現することか、クリアできなかった時などの表現などで使われます。
感情_不安
歪み
フェードインに歪みやぼかしを入れて、視界がぐらついている表現をしています。
世界観を出す場合は緩やかな水の中の表現、世界観に関係がない場合はホラーやクリアできなかった時に表現されます。
ピントも合わない表現をゆっくり出すことで不安を煽ります。
感情_驚嘆
印象付け
アイコンの色をインパクトの瞬間に反転させることで印象を強くする、
人の目は強い光を見た後に光の残像として補色が瞼の裏に焼き付くので、それをアイコンを出す瞬間に表現しています。
感情_驚き
グリッチ
世界観を出すのに向いている表現で、サイバー系やデジタル表現などでよく見る演出になります。
点灯
何の予備動作もなく急にアイコンを出すので驚きを与えています。
点灯も入れることで強い印象を持たせつつ、最後に余韻のようにアイコンが出現します。
感情_興奮/怒り
ショック
強いコントラストの明暗を連続で点滅させるため、凄く目立つ表現になります。
やりすぎは見ている側の負担が大きいので注意
演出ではアイコンに限らず画面全体で用いることも多いですが、頻繁に見せるとストレスになるので使いどころは限られます。
感情_関心
衝撃破
目立たせたい、興味を引かせたい時に使う表現で、拡大アニメーションにエフェクトを加えています。
ユーザーに対してシンプルでいて少ない情報量で関心を向けさせることができるため様々な場面で使うことができます。
感情_予期
カウントダウン
出るタイミングがわかるような演出になっており、アウトラインが一周したタイミングで何かが起こるというのがわかるようになっています。
感情_期待/警戒
インパクト
パワー
視線を強く集めるように導入に動きのある演出を入れ、この後に何かが起こる、出現するという期待と警戒を与えることができます。
ユーザーに期待感を与えることが多いため、期待感にあったアイコン(報酬/情報)表示がされないと、
演出とアイコンのアンバランスさにかえってストレスを与えることにもなります。
感情_喜び
花火
発光
アイコンの周りを綺麗なエフェクトで賑やかして嬉しい表現を出しています。
花火が一番わかりやすく嬉しい表現をさせることができ、発光は少し落ち着いたおしゃれ/ゴージャスなイメージでお祝いすることができます。
感情_恍惚
後光
喜びの最上級になります。
アイコンから後光が出るため、画面全体での演出で使われることがメインになります。
背面をしっかり賑やかしつつ中央のアイコンを強く見せるため、とても良いものを手に入れる時に使われることが多いです。
まとめ
今回取り上げた演出以外にも種類はまだまだ沢山ありますし、演出の組み合わせをすることでより強く感情に訴えかけることができるようになります。
ゲームの世界観の演出と感情に結び付く演出の見せ方で、より効果的に感情を動かすことができますし、ゲームとしての表現の一種なので楽しくゲームをプレイしてもらうためにも感情に影響することを知るのは良いと思います。
演出はゲームになじみがないと表現自体が多様にあるため、覚えるのが大変ですが、今回ブログで取り上げた演出が少しでもゲームを作る上で役に立ってもらえたら嬉しいです。
ここまで読んでくださりありがとうございました!
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