はじめに
UIとは、User Interface(ユーザーインターフェイス)の略称です。
Interfaceには「接点」「接触面」という意味があり、UIとは サービスやプロダクトとユーザーをつなぐ接点 を指します。
例えば身近な例だと、
- 車なら「ハンドル」や「アクセル」
- パソコンなら「キーボード」や「マウス」
- スマートフォンなら「タッチディスプレイ」
といった部分がUIになります。
つまり、ユーザーが何かをしたいと思った時に必ず通る“窓口“のような存在です。
デジタルプロダクト(スマホアプリやゲームなど)では、 ボタン・メニュー・アイコン・文字 といった要素がUIにあたり、これらは ユーザー体験を大きく左右する要因 になります。
そして、ゲームUIデザインには特徴的なポイントがあります。ここからゲームUIデザインの役割について詳しく見ていきましょう。
ゲームUIデザインの2つの役割
ゲームUIデザインには、大きく分けて 「機能」としての役割 と 「装飾」としての役割 の2つがあります。
一般的なアプリやWebサービスでは「使いやすいUI」が重要視されますが、
ゲームでは「遊んでいて気持ちいい」「世界観に没入できる」といった体験を生み出すために、見た目も同じくらい重要になります。

「機能」としての役割
「機能」としての役割とはユーザーが迷わず快適に操作できるようにする役割のことです。
誰でも一度はこんな経験をしたことがあるのではないでしょうか?
- フォントが小さくてなんと書いてあるか読みづらい
- ゲームプレイ中ボタンの大きさが小さくて押しづらい
ゲームは娯楽である以上、そのゲームを絶対に続けたいというモチベーションを持っていない場合も多く、上記のようなストレスが離脱につながる可能性があります。

そのため、せっかく美麗なイラストや奥深いゲーム性、重厚なシナリオといった豊富なコンテンツが用意されていても、それらのコンテンツに触れるための入口となるUIが機能しなければ、ユーザーは本来の価値に辿り着く前に離脱してしまいます。
こうした事態を防ぐために、「どうすれば迷わず操作できるか」「どうすれば快適に進められるか」を考えて設計するのが 機能としてのUIデザイン です。
これはゲーム体験の土台となる、とても重要な役割を持ちます。
「装飾」としての役割
ゲームは単なる便利ツールではなく、楽しむための娯楽 です。
そこにはストーリーや世界観が設定されており、その雰囲気をより魅力的に伝えることが求められます。
したがって、他の業務システムやWebサービスと比べても「見た目の美しさ」の重要度は非常に高くなります。
さらにゲームUIでは、ただ便利で分かりやすいだけでは不十分なことも多くあり、
世界観に沿った装飾や演出を加えることで「遊んでいて気持ちいい」「テンションが上がる」といったプラスαの体験が必要になります。

こうした工夫はプレイヤーの気持ちを盛り上げ、「この世界に入り込んでいる」という没入感を強めます。
これが UIデザインにおける装飾としての役割 であり、ゲームの価値を高め、プレイヤーを没入させる役割を持ちます。
「機能」と「装飾」の相互作用
そして重要なのは、この2つは切り離して考えるものではなく、相互に作用し合いながらゲーム体験を形づくる という点です。
例えば「機能」ばかりを重視しすぎると、操作はしやすくても見た目が味気なくなり、世界観に没入できなくなってしまいます。
逆に「装飾」に偏りすぎると、雰囲気は華やかでも操作性が損なわれ、「遊びにくいゲーム」になってしまいます。
プロダクトによって程度の差はあれど、「カッコいいけどどこを押せば良いか分からないボタン」や、「シンプルすぎて世界観がまったく感じられない画面」は、どちらも良いUIとは言えません。
どちらか一方が欠けると、せっかくの魅力的なコンテンツも十分に活かされず、ユーザーの体験を損ねる可能性があります
だからこそ、ゲームUIデザインでは 「機能のデザイン」と「装飾のデザイン」の両立が欠かせません。
操作に迷わない導線を整えながら、その配置や演出を世界観に沿った形で表現することで、初めてプレイヤーに「快適で楽しい体験」を提供できます。
言い換えれば、ゲームUIの価値は「機能」と「装飾」がバランス良く融合したときに最大化されるのです。
(補足)UIデザインとUXデザインの違い
よくUI/UXデザイナーと一括りにされていることが多いですが、この2つは全く別の概念です。
UIがユーザーの接点となる部分であったのに対し、UX(User Experience:ユーザー体験) は UI よりも広い概念で「ユーザーがそのプロダクトを知ってから忘れるまでに得る体験」全体を意味します。

ここで重要なのが 「UIはユーザー体験を構成する一要素に過ぎない」 という点です。
例えば、あるプロダクトで「美麗な3Dグラフィックで世界観に没入させ、ワクワクする」ユーザー体験を実現しようと思います。
UIデザイナーとして「使いやすさ」や「見やすさ」が担保されたUIを作ったとしましょう。
しかし、次のようなことが起きればユーザー体験全体としては不十分です。
- 簡易的な3Dが使われてしまっており「世界観に没入する」が達成できない
- 実装上の処理が重くカクついてしまったことで、「楽しい体験」ではなくストレスになる
つまり、UIの質はユーザー体験全体を大きく左右しますが、ユーザー体験全体はUIデザイナーだけで完結するものではないのです。
良いユーザー体験を提供するには、ディレクター、プランナー、イラストレーター、3Dデザイナー、アニメーター、エンジニアなど、チームの全員が「ユーザーにどんな体験をさせたいのか」という視点を持つことが非常に重要なのです。
これからの講座で理想のユーザー体験をどうUIデザインで実現させていくのかを一緒に学んでいきましょう。
まとめ
- UIとはサービスやプロダクトとそれを利用するユーザーの接点となる部分のことを指す
- ゲームにおけるUIデザインには「機能」としての役割だけでなく、ゲームならではの「装飾」としての役割の2つの役割がある
- UIはUXを構成する要素のひとつであり、ユーザー体験全体はUIデザインだけで完結するものではない
ここまでご覧いただきありがとうございました✨
次の記事では「機能」としてのデザインと「装飾」としてのデザインを、より詳しく具体例を交えて解説していくので、お楽しみに!
