ゲーム演出を作る時の流れ

演出制作はキーを打ってアニメーションさせることや、素材作りと画面の絵作りに、全体の流れのバランス調整など、非常に時間のかかる作業になります。

そして、作っていくと構造がどんどん複雑化されていき、完成に近づいた時にはちょっとした修正をするのに想像以上の時間を取られることも珍しくありません。

演出を作る時に流れを知っておくことでやり直しの回数を減らすことができるので、まずはどんな流れになるのか書いていいます。

  1. 施策内容が決定する
  2. デザイン案が完成する
  3. プランナー、デザイナー、エンジニアと演出の認識を合わせる
  4. エンジニアさんと連携しつつ、演出を完成させる
  5. 組み込み
  6. デザインを最新画像に差し替える
  7. 動作チェックをする

施策内容が決定

施策が決定し、画面の内容が決まっていくことで必要な演出が入る場所が見えてきます。

この時やることは、2つあります。

・演出必要箇所の把握、洗い出し
・工数出し

演出箇所の把握、洗い出し

演出がどこに入るのか、画面の流れはどうなるのかを把握しておきましょう。
まだデザインされた画面ができていないと思うので、演出ボリュームは見えにくいかと思いますがその中でもわかる範囲で必要演出洗い出しを行います。
・画面遷移_in/out
・レベルアップ演出
・ゲージ演出
・カウントアップ…etc…

洗い出しても、演出数は増えることもよくあるので参考程度に洗い出します。

工数洗い出し

必要な演出箇所がわかったら、どのくらい工数が発生するか考えます。
僕の場合は作業工数が1人日の場合、動作確認、FB対応、バッファと合わせて工数2〜2.5人日に盛ることもあります。
慣れている作業なら問題ないのですが、あまり作業したことがないものに関しては多めに見積もっています。

ここで、デザイナーさんからいつ頃素材をいただけるかを確認し、演出着手できる時を共有しておくとスケジュールが見えやすくなって良いと思います。

なお、ここでは画面もしっかりと決まっていないので大雑把な工数を想定します。

動きのイメージの認識合わせをする

画面の要件が入ったラフイメージをもらい動きの方法を考えます。
この時あらかじめ、YouTubeやゲームなどで参考になりそうなものを集めておくとスムーズです。

動きのイメージについて、口頭、参考動画、字コンテ、絵コンテで認識をまずは合わせておきましょう。
なお、話したことはログとして残しておくと忘れた時に読み返せるのと、何か問題が起きた時にいった言わないにならないようにとりあえずログとして書いておくと、相手も自分も幸せになれます。

口頭

動きのイメージを口頭で伝えます。
演出が簡単な場合や信頼値を得ている場合は口頭でこんな感じに動かしますと伝えれば問題ない場合もあります。

参考動画

参考動画からイメージを探して、すり合わせをします。
何個か参考動画を見てもらい、どれがイメージ近いか、またはどの組み合わせがいいのかをすり合わせていきます。

字コンテ

字コンテの場合は口頭でのすり合わせと似ています。
演出のボリューム感や流れを書いて、すり合わせを行います。

絵コンテ

絵コンテは動きのイメージを伝えるのに役立つのでこれを作っておけば間違い無いというのはありますね。
絵コンテは完成イメージを伝えやすいのでおすすめです。

なお、絵コンテを描く時に注意することが、相手を意識して作る必要があるので、大抵の場合は専門用語は不要になります。
プランナー、エンジニア、デザイナーへ伝えるときにパンアップさせるとか書いても伝わらないので、伝えるための絵コンテを意識して作るといいと思います。

動画コンテ

僕が良くやるのは Unityで作る前にAEで動きのイメージを作ることが多いです。
ざっくりとした動画のイメージを作って伝えています。
画面数が多い時は、各画面とのつながりを動画で見せることができるので、流れを全体で共有することができるので便利です。

実装可能か確認する

演出イメージのすり合わせ時に、エンジニアさんと実装可能かの相談をしておくと良いです。
演出制作側がガリガリ進めていくと、エンジニアさんに実装のお願いをした時に、実装困難、実装不可能になってやり直しになることが起こるかもしれないので。

例えば、アニメーションのプレファブはどこを使いまわして、どこを分けるかなどの作りについて話したり、アニメーションで対応するかエンジニアさんに簡単な動きを対応してもらうかなどの相談をしたりします。

ここで、絵コンテや動画コンテがあるとエンジニアさんも話しのイメージがついて、作りやすくなります。

Unityで演出制作

絵コンテや動画などですり合わせを行っているので、ここまで来れば戻しはだいぶ少なく済むかと思うので、ここからはUnityで演出を制作していきます。

この時、進捗具合を細かく報告しておくと、途中で追加して欲しい演出や変更したい箇所などが出ても対応しやすくて良いかと思います。

動く絵を見たことで、後から機能や演出を追加したいというものが制作中にポロポロと出てくることもよくあります。

デザインを本番画像へ差し替え

デザイン作業と同時進行で動きをつけている場合は途中で本番画像に差し替え対応が入るかと思います。

この時よく起こるのはサイズが変更になっていたり、レイアウトが変更になっていること
ここは事前にどこが変更になる可能性があるか把握しておき、その部分の着手は後回しにしておくと戻しが少なくて済むと思います。

もしサイズやレイアウトが変更になっても笑顔で受け取りましょう。
仕様変更によるデザイン変更があっても、笑顔で対応しましょう、よくあります。

また、画像のべき乗化が必要な場合は対応していきます。
そして、9グリッド対策も必要な場合は行っていきましょう
容量を節約してエコなアプリにしていきます。

動作チェック

アニメーションをつけ終わってもちゃんと動くかどうかの確認や、演出の表示がおかしくないかのチェックをしていきましょう。
チェックすると、様々な不具合が目に入ってくるので、必ずチェックをしておきましょう。

16:9での表示は大丈夫ですか?
4:3は・・・?18:9は・・・?と、アスペクト比も気にしつつチェックします。

もし派手な演出の場合は負荷も大丈夫か見ておくと良いです。
負荷が高いと端末が高温になってしまうので。

動かないことや、予期しない動きになることもしょっちゅうあります。

ブラシュアップ対応

余裕のある開発体制だと、ブラシュアップ対応する期間を設けておき、クオリティの底上げ、演出の追加対応などが入ります。

全て終わったら検証チームへチェックをお願いすることになります。

検証チームがどういった演出が正か判断できるように動画とテキスト補足を渡して、あとは祈ります。

バグ修正対応

検証が入ることで様々なバグが上がってくるかと思うので、最後の仕上げでバグ修正対応が入ります。
細かいところまで見られています。
検証チームは神の目を持っています。

完成

長い道のりでしたがこれで演出制作も完成し、あとは世の中に発信されるだけです。
無事リリースお疲れさまでしたとなります。

しかし、まだやることが残っている!

それは後の人のための資料作りです。

これをまとめておかないと後々自分以外の誰かが担当する時に、どこのプレファブを見ればいいのか、どんなイベントなのか、ルールは?と混乱していしまうので、最後に施策について演出側の資料をまとめて完成となります。

中々うまく進まないことがほとんどですが、それでも一歩一歩進めることで間違いを少なくすることができます。
ショートカットをしようとすると、後々面倒なことになるので地道に進めていきましょう。

そしてたまにあるユーザーコメントって実は凄く嬉しい。


ここまで読んでくださりありがとうございました!
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